スコットランドはグラスゴーで開催されたTRNSMT Festival(トランズミット)へ参加してきました。このフェスは2017年から始まった今年で二度目の新しいフェスのためか、日本語の情報がほとんどなかったので、概要や参加した感想などをまとめてみます。
TRNSMTフェスのいろは
開催までの経緯
海外のフェスで有名どころと言えば、Coachella(コーチェラ)、Reading(レディング)、Glastonbury(グランストンベリー)などが浮かびます。日本で有名なフジロックはグランストンベリーがお手本になったんだとか。私は雄大な自然の中で音楽を楽しめるフジロックが大好きで、基本的に毎年参加しています。
TRNSMTは2017年から始まった新しいフェスなのですが、何もないところから始まったわけではなく、スコットランドで最大だったT in the Park(ティー・イン・ザ・パーク)の後継フェスという位置付けのようです。T in the Parkは、会場確保と費用などの問題で開催が難しくなってしまい、場所と名前を新たにしてというわけです。
参考:Geoff Ellis on Scotland’s newest music festival TRNSMT | BBC
チケット価格
ノーマルチケットで59.5ポンド、VIPチケットで99ポンドに手数料が5.95ポンド。ノーマルチケットなら手数料込みで1万円ほどなので安いなと思ったのですが、当日にVIPチケットにアップグレードするはめになりました…。詳しくは後ほど。
読み方
最初は読み方がよくわからなかったのですが、TRNSMTは英単語のtransmitと同じ発音で、トランズミットでいいはずです。
規模
T in the Parkは郊外にある広大な場所で7つもステージがある巨大なフェスだったようですが、TRNSMTはグラスゴーの中心部にあるGlasgow Greenという大きい公園で2つのステージ(メインステージとKing Tutsステージ)しかありません。ただし、前者が3日だったのに対して、後者は今年から5日となっています。連続5日ではなく、2週間かけて行われます。
エントランスはEastとWestの2つ。私は友達の家から向かったのでEastから入りましたがWestの方が駅から近いはず。Glasgow Central駅やGlasgow Queen Street駅から数十分の徒歩圏内で、バスやタクシーは使わなくても十分行けます。
サイトマップ。中央部にあるのがメインステージ。
Golden Circleって?
サイトマップのメインステージ前方にGolden Circleと書かれているのがわかるでしょうか?このGolden CircleがTRNSMTに行ってみて一番驚いた点でした。下記のツイートでわかるようにフェンスで仕切られており、ノーマルチケットでは入場規制があるため入れません。なぜだがわかりませんが、フェスの1週目はこの仕切りはなく、私が行った2週目だけだったようです。日本のフェスではVIPエリアこそあれど、ステージ前方に行けないなんてことは経験したことがなかったので面食らいました。
@trnsmt_tv – really, a golden circle? Working out well for those smaller earlier bands and fans, huh? Lots of people very unhappy with the set up and feel it’s money grabbing. pic.twitter.com/vyNYY1r1xR
— Di (@dippydc) 2018年7月8日
Golden Circleへの入口で係員に確認すると、VIPチケットがあれば入れるとのこと。入口にあるBox Officeまで戻り、ノーマルチケットからVIPチケットにアップグレードしたいと話すと55ポンドでできると教えてくれました。結局、せっかくグラスゴーまで来たのにステージ後方で観るなんて嫌だったのでVIPチケットへ変更。元々の差額が40ポンドのところ、55ポンドでアップグレードなので15ポンド損しました…。良い商売してますね。
ただ、ネットで調べてみると突然のルール変更で途中からVIPチケットでもGolden Circleに入れなくなったという情報もありました。最後まで入れたのは、Golden Circleと書かれたリストバンドを持ってた人だけだったとか。確かに、私が途中でVIPエリアから出た後に再入場しようとしたら、荷物検査をされた後にそのリストバンドが配られたんですよね。
下のツイートは、突然のルール変更に怒ってる参加者とGolden Circleに嫌悪感をあらわにするFranz Ferdinandのボーカル。私もGolden Circleのアイデアには反対です。Golden Circle後方はたくさんの人で混んでるのに、Golden Circle内には空きスペースができていたので。
So #TRNSMT changed the golden circle rules for VIP’s an hour ago so even tho you’ve paid a shit ton of money you can’t get close to the stage 🤷🏻♀️ fuck you TRNSMT
— Emma Twaddle (@emmatwaddle) 2018年7月8日
This was not a one-off either.
It’s something I see more often, particularly at festivals. I noticed it at @TRNSMTfest too. Felt like the real front row was behind the second barrier about two miles away. https://t.co/TerzGxLE2R
— alex kapranos (@alkapranos) 2018年7月15日
Golden Circle(またはFront Circle)入口。ゲートと係員でずるはできない仕組み。
アップグレードしたVIPチケット。
VIPのリストバンド。ちなみにノーマルチケットだとリストバンドはもらえません。
VIPチケットの力
せっかくVIPチケットにアップグレードしたので、ノーマルチケットとの違いについても書いておこうと思います。
特典として、VIPチケット保有者のみが入れるVIPエリアがあり、専用のバー、屋台、トイレなどが完備されています。専用のバーや屋台はどうでもよかったですが、トイレは所謂電話ボックスのような簡易トイレではなく、仮説とはいえ綺麗できちんとしたものでした。これは清潔好きの人はお金を払う価値があるかもなと。数も豊富で並ぶことなく使えました。
専用バー。この他にカールスバーグが運営するバーもありました。
専用屋台。大したものは売ってなかったです。
その他、感じたことなど
危なくない?
海外で普通のライブに行ったことは何度もあったものの、フェスは初めてだったのでそれなりに心配もありましたが、基本的に平和な感じで危ないなという瞬間はなかったです。各エントランスやチェットポイントで持ち物や身体チェックあったので、セキュリティーはそれなりにしっかりしてるかなと。
参加者の人種
イギリスでもスコットランドということもあってか、参加者にアジア系は全然いませんでした。スコットランドからの参加者が多いのかなという印象。
気になったこと
- 高緯度のため、日没が夜9時を過ぎてからなので照明が映えない。
- 演奏中に周りが話してる人が多くてうるさい。
- 鑑賞エリアでタバコを吸う人が多くてイライラ。
- 水だけでなくサングラスまでも投げられてた笑。
総評
Golden Circleこそ不満はありましたが、全体としては楽しい1日で良い経験になったなと思います。フェスの規模自体は大きくないのに有名どころがたくさん来ますし、こじんまりとした都会型のフェスって感じですね。わざわざ日本から行くかと言われたら、断ってフジロックに行きますが笑。イギリスに滞在してるならグラスゴーまで足を伸ばすのはありかと。
ちなみに、メインステージのステージ自体の大きさはフジロックのグリーンと同じくらい、広さは半分くらいの印象を受けました。
おまけの写真
少しでもTRNSMTの雰囲気が伝われば。
ノーマルチケットの入口。
ノーマルエリアのトイレ。よくある仮設タイプ。
ATM。屋台ではカードが使えない場所もありました。
屋台。奥に見えるのがメインステージ。
メインステージ後方。
屋台。Little Tokyo Noodle Barが気になりましたが、日本っぽくはなかったです。
物販。フェスTシャツが主で、各アーティストのものはわずかでした。
小さい方のKing Tutsステージ。
メインステージ。明るく見えますが9時を過ぎてます。
VIPエリアで買ったバーガー。味はまあまあ、値段は一流でした。
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